ヒートフルーツ【特別編集版第2部】/リアル80’S青春群像ストーリー♪

再び出会った道/その12
アキラ



追川さんは丁寧に説明してくれてる

「それは、関西が相和会のテリトリー近くに新団体をおく。これで、関東系列の星流会と足並みをそろえれば、相和会の封じ込めが出来るからね。これに対し、相和会が条件を出し、そこそこのところで落ち着く。関係者の多くもこう予想していたんだ」

「はあ…」

「言ってみれば、それが業界のセオリー通りの展開だからね。案の定、相和会はいくつか条件を提示して、それを呑むことにすんなり同意したよ」

この構図はオレにもわかる

関西側が引き込んでいた北原さんらを、その新団体には加えるなに始まり、よし、そのかわり離脱組への報復はこらえて欲しいときて、分かった、だがそのかわりと…

こんな条件のキャッチボールで、まあ、暗黙の出来レースってところなんだろう


...



なにしろ、権力側との付き合いがある相和会を、広域組織が一気に吸収など、ハナから無理だと東西双方が百も承知だし

一方の相和会だって、跡目のコタゴタで”裏切り者”への制裁は、警察の手前、絶対タブーだ

要は関東、関西の広域組織と相和会には、最初から抑止力が働いていた

そう言うことなんじゃないのかな…

ところが…、相和会からのリターンには、一つだけ関東、関西ともに仰天する条件が含まれていたと…


...



「2代目をわずか1か月でクーデターまがいの手口で葬り、矢島3代目体制が出来たばかりだというのに、なんと剣崎満也を将来的な後継者として黙認しろときた。こともあろに、事実上、対抗組織全部に面と向かって、将来的な内定事項を突きつけた…」

そして、その際には、従来の極道同士の関係は見直させてもらうとも…

「相和会の”それ”を聞いた連中、頭がパニクッただろうな(苦笑)。やっぱり相馬があの世に行っても、相和会はサッパリわからんとね。それで、最終的に関東、関西側は、”相馬の生きてきた形跡を消し去ること”っていう、ヘンテコな要求を出し、相和会が承諾して合意に至った。ふふ、業界の関係者はなんだこりゃって、イスから転げ落ちたそうだ」

「自分なんかが聞いても、意味がよく…。それで、追川さんの結論は、今回の交渉は相和会に利があったということなんですよね?」

「ああ、そう言うことになる。相和会はしてやったり。奴らの完全勝利だと思ってる」

追川さんがここまできっぱりと言い切ったってことは…


...



そして、手にしたレモンティーのカップをおいた後、正面のオレの方へと心もち身をかがめた

そして…

「だが、相和会への追及者だった俺には推測ながら、相和会、いや剣崎と矢島のビジョンが見え隠れするんだ。本来なら口外することはできないが、キミとケイコさんはもはや”当事者”だ。告げないって訳にはいかないんだ…」

さあ、ここからがオレ達にとって、直接係ることだ