再び出会った道/その10
追川
「いらっしゃいませ…」
俺の前にお冷を差し出すウエイトレスに、ゆっくりと視線を向けた
横田競子か…!
「…」
「”彼女”です…」
正面の香月アキラは低い声で、俺に囁くようだった
「ご注文、お決まりの頃に伺います…」
彼女からの言葉はそれだけだったが、同時に会釈した目で、もう一つの”挨拶”を送ってきた
「ええ、どうも…」
俺もこの短い言葉で、”二つの立場”からの挨拶を兼ねた
制服姿が抜群に似合っていた”彼女”は、席を後にした…
太陽のような子だ…
俺は咄嗟に、アタマの中でそうつぶやいた
さらに…
この二人、心が繋がっている…
...
俺は仕事柄、直視できないような人間模様を幾多、目の当たりにしてきた
多くは心の奥底がどんより曇るような、やるせない情景だったよ
恨み、憎しみ、怒り、ジェラシー、復讐心…
生身の人間が精一杯生きて行く過程で、様々な障害や苦難と出会い、不本意ながら、得てして望まない境遇に辿り着くことは人の常だ
人間が負の渦にいったん足を引きこまれると、そこは生きながらの無限地獄だ
俺はそんな、己の心の業火で、他ならぬ自分自身己を焼かざるを得ない人々を取材し続けてきた
人を信じることをしようと思っても、それができない…
これこそ、人間にとっての究極の不幸じゃないのか?
...
人を純粋に信じ切る心を持ち続けること
言うは易し、行うが難し…
それを皮膚感覚で享受している俺にとって、たった今、ここで二人の見せた佇まい…
なんと純朴なんだろう
世にも奇異な状況で出会ったこの二人
幸せにしたい…
俺の望みは単純だった
追川
「いらっしゃいませ…」
俺の前にお冷を差し出すウエイトレスに、ゆっくりと視線を向けた
横田競子か…!
「…」
「”彼女”です…」
正面の香月アキラは低い声で、俺に囁くようだった
「ご注文、お決まりの頃に伺います…」
彼女からの言葉はそれだけだったが、同時に会釈した目で、もう一つの”挨拶”を送ってきた
「ええ、どうも…」
俺もこの短い言葉で、”二つの立場”からの挨拶を兼ねた
制服姿が抜群に似合っていた”彼女”は、席を後にした…
太陽のような子だ…
俺は咄嗟に、アタマの中でそうつぶやいた
さらに…
この二人、心が繋がっている…
...
俺は仕事柄、直視できないような人間模様を幾多、目の当たりにしてきた
多くは心の奥底がどんより曇るような、やるせない情景だったよ
恨み、憎しみ、怒り、ジェラシー、復讐心…
生身の人間が精一杯生きて行く過程で、様々な障害や苦難と出会い、不本意ながら、得てして望まない境遇に辿り着くことは人の常だ
人間が負の渦にいったん足を引きこまれると、そこは生きながらの無限地獄だ
俺はそんな、己の心の業火で、他ならぬ自分自身己を焼かざるを得ない人々を取材し続けてきた
人を信じることをしようと思っても、それができない…
これこそ、人間にとっての究極の不幸じゃないのか?
...
人を純粋に信じ切る心を持ち続けること
言うは易し、行うが難し…
それを皮膚感覚で享受している俺にとって、たった今、ここで二人の見せた佇まい…
なんと純朴なんだろう
世にも奇異な状況で出会ったこの二人
幸せにしたい…
俺の望みは単純だった



