ヒートフルーツ【特別編集版第2部】/リアル80’S青春群像ストーリー♪

果てなく、妖しく…/その10
麻衣



「久美、私だって、お前がかわいいんだ。いいか、このままじゃお前、潰されるぞ。馬美がフリーの立場で、祥子や多美と連携したんだ」

「…」

「私は南玉去ったし、もう戻る気もない。もし、お前が3人に詫びを入れられるんなら、そのスタンスで私が説得する。そうなりゃ、真樹子さんも祥子に謝罪するって言ってくれてるし。どうだ、久美…」

「麻衣、ありがとう。私、こんな頭、いくらでも下げる。もちろん心を込めて。だから、頼むよ。お願いします、麻衣ー!」

久美は私に抱きついてきて、また大泣きだ



...



「よし。なら、私に任せろ。ただ、馬美はそう簡単にはいかないぞ。まあ、アイツの件は私も関わってのことだったから…、そうだ、馬美には私もお前と一緒に頭下げよう。許してくれるまで…」

「麻衣ー!ありがとう。本当にゴメンね。私、今度こそ、根性入れ替えるから。わーん!」

しかし泣きながらでも、よくしゃべる女だな…(苦笑)

だが、内心ニヤリときた

実はこの”一言”を望んでいたんだもん

「それ、本気か?久美」

「ああ、絶対にやるよ。生まれ変わるんだ、今度こそ!」

「もう一度聞くぞ、絶対繰り返さないな?」

「誓う。ここにも誓うし。これに…」

そう言って、久美はスカートをまくりあげた


...



左内腿にあるヤケド痕…

去年の夏、久美が志願して私が当てた”刻印”だ

あの根性焼きの時も、私ら二人はこうして抱き合っていたっけ…

「わかった。もう一度お前を信じる。それなら、久美、もう一つだぞ」

「何?なんでも言うこと聞くよ、私は…」

私は、久美に”決断”をさせるつもりでいたんだけど…

だが、話の持っていき方でちょっと迷っていた

うーん、よし、まず”アレ”を聞いてからにしよう