ヒートフルーツ【特別編集版第2部】/リアル80’S青春群像ストーリー♪

再び出会った道/その6
砂垣



麻衣はしたたかだ

都県境の巷には、ヒールズの延長線上で、火の玉川原における紅組との一件も持ちだしてるらしいわ

今さらよう…

実は、負けた墨東会の砂垣は、あのグロテスクな怪物女と最初から闘いを避けて、逃げる理由を徹夜して考えていたとかって

ふざけんなっての!

一生懸命考えたが、徹夜まではしてねーって


...



とにかく、あのアツシだ

アイツに相和会と麻衣の、知られざるネタを引き出す

それで急所を突いてやる

なにしろ俺には、関東直系バックの星流会がマックスで応援してくれてるんだ

あんな小娘…

いや、侮れるもんか

相和会が離れたって油断させといて、撲殺男をしっかり取り込んでたんだ

あのイカレ女は…

綿密に行こう…

南部や積田はもういい

外堀だ、今の俺の打つ手は


...



そして翌日、俺は相和会の”バッジ”、アツシと落ち合った

「アツシさん、どうも」

「ああ、どうもね。何かな、用件は…」

この野郎、すっとぼけやがって

この期に及んで、麻衣と撲殺男だろーが

決まってんだろ!

「あの、耳にしてるはずですけど、麻衣の結婚相手が相和会幹部さんてことで…」

したら、コイツ、実にイヤーな顔してやがる


...



「どうなんすか?承知ですよね、麻衣の婚約」

「なんかそれ…、こっちの世界じゃなくて、おたくら素人の巷話で聞かされてんだけど。逆に聞かせてよ、どうなのよ、実際は?」

コイツ、マジに入ってねえのかよ

参った…


...



「ホントなんだ…、倉橋さんは…」

ちょっと青ざめてるわ、アツシのヤロウ

「あのですね、アツシさん…。悔しくないんですか?血がつながっていないのはもう周知されてるんですよ、麻衣と相馬さんは。なのに、さんざんチンピラ扱いされて、足蹴にされて…。16、7のションベン臭いガキの女が、今度は上司の嫁さんだ。このままでいいんすか?」

「お前、バッジも貼れてねえで、何様だ!」

おお、襟首掴んですごい顔だわ、コイツ

「いやあ…、苦しいですから、放してくださいよ。あの、言わしてもらいますけど、今の時代、そんなバッジなくてもヤクザ連中の間、立ちまわれるんですよ。そんなの、意味ないっすね」

「なにー!」

凄んでるけど、全然だわ


...



まあ、こんなとこでやりあってる場合じゃないから、そのあと二人とも冷静になって話し合った

で、俺は持ちかけた

「ウチらで、やれるとこは連携を取あいましょうよ。要は麻衣のヤロウを潰す。まずは端的、ここ一点でどうです?先日来、ムショ帰りの麻衣には、ここで一気にとどめ刺したいってことでしたよね」

「よし、砂垣さん、それはOKだよ」

「なら、今日は二点だ。まず、アンタは亡くなった相馬会長の息子、定男さんの親友だったでんすよね?」

「ああ…」

よし、認めたぞ

ここで切り込む…