ヒートフルーツ【特別編集版第2部】/リアル80’S青春群像ストーリー♪

再び出会った道/その4
剣崎




麻衣にはその次第を、事前に電話で伝えておいた

アイツ、テンションを高くしてこう言い放ったわ

「そうですか!いよいよお披露目ですね。ウキウキしてきたなー」

まるで、無邪気にはしゃぐ子供だ(苦笑)

はは、そう言えば…

相馬会長もあの年で、時折、妙に子供っぽい顔で喜ぶ姿を目のあたりしたな

やはり同じだ、そんなところは(笑)


...



俺は、明石田の叔父貴への挨拶まわりの件も告げたんだが…

「わあ!以前から会いたかったんですよ。相馬さんにも、戦争から引き揚げてくる時の運命の出会いとか、聞いてたんで。こりゃ、楽しみだなあ…」

倉橋は照れがあったのか、遠慮したいような口ぶりだったが、麻衣の方は大乗り気だ

このあと、麻衣は様々なリアクションに”反応”していくだろう

当面は砂垣を使って、意欲的にガキどもの領分を狙っている諸星だ

ヤツの星流会が今回の合意を受けて、どこまで動いてくるか

一気に因縁の間柄となった麻衣が、”あの”倉橋の嫁になると知った諸星はどう出るか

麻衣は倉橋と一緒になることを、アイツなりに意識し計算しているはずだ

要はその展開を、こちらの”好都合”に活用すればいいんだ

矢島さんと明石田さんも、結局のところはそこのところを期待しているしな


...



その見極めは俺の役目だ

と言うより、俺以外では無理だ

無論、リスクはある

だが、これまでだってそうだった

麻衣のアジテーションと仕掛けによる出目を見誤らず、こちらの利点につながるように組立てして、ここまでやってきたんだ

油断は禁物だが、要領は得てるさ

「今後、動きが出た際の報告はどうします?倉橋さん経由が筋でしょうけど…」

はしゃいでた麻衣は、最後に落ち着いた口調で尋ねてきたわ

「俺には定期連絡してくれ。以前みたいにな。ああ、倉橋とはお好きにどうぞだ。ベッドの中で抱き合いながら俺の陰口でも、何も言わんさ、ハハハ…」

「やだあ、もう…。剣崎さんったら」

麻衣は電話口でそう言って、ケタケタと笑っていたよ


...



究極の危険を共有する仲…

麻衣と俺は、そういうことで割り切ってるんだろう

特に意識はせずとも…