ヒートフルーツ【特別編集版第2部】/リアル80’S青春群像ストーリー♪

接近/その12
追川



接近している

俺は今、明らかにいろんなものへと…

考えは巡らせたが、香月アキラには電話をすることにした

約束だし、とりあえず待ってると思うしな


...



夜7時少し前、今回は彼が直接受話器を取った

俺は慎重に言葉を選び、この二人が関与しているクスリの件に絞って、”懸念”が否定できない想定、可能性について告げた

「…、追川さんのお話、よく分かりました。今、彼女いないんです。もうすぐ帰ると思うので、まず二人で話し合ってみますよ。折り返していいですか?」

「ええ。じゃあ、連絡待ってますよ」

彼は今までで、一番冷静かつ、穏やかな話しっぷりだったよ

だいぶ近づけたようだ、彼ら二人にも…

少なくとも俺のことを、最低限の信頼はおいてくれてるという感触はある

30分ほどして、彼から電話が入った


...



「追川さん、一度お会いできませんか。会ってお話しをさせてもらえればと…」

「ケイコさんは、それで了解なのかな?」

「はい。できれば、彼女がバイトしているファミレスに来ていただけると、ありがたいです。僕としても、細心の配慮はしておきたいんです。彼女が働いている店で、客として人と会っているのであれば必然性がありますから」

「わかりました。そこでお会いしましょう。では日時を…」

彼が”決断”してくれた

来週の水曜日、夕方5時に指定の店だ

おそらくケイコは仕事中だろうから、話は彼と二人になりそうだ

よし!

もう一度、話す内容を精査して臨もう

それにしても…


...



香月は明らかに、”連中の目”に神経を尖らせている

無理もないが…

何とも痛ましいな

いつもそうだが、彼と電話で話していると、苦しんでいるのが伝わってくるんだ

余計な事をしゃべったり、誤解を招く不用意な接触に対して、不安と恐れを抱いているんだろう

いや、待てよ…

連中に口止めされていることって…

ひょっとして…、”真実”なのか

そうだとしたら…

彼ら二人は事実と違うことを強要されていると…

俺は”真実”の追及を断念したはずだ

だが、今俺が向かっている先には、その”真実”が待っているのかもしれない…