ヒートフルーツ【特別編集版第2部】/リアル80’S青春群像ストーリー♪

接近/その9
麻衣




お歴々の決定事項か…

一言で言えば、これから倉橋さんから聞く内容は、私にとって重要だ

まあ、本来はもっと緊張すべき場面なんだろうが…

なのに、なんかリラックスしてるわ、私

「倉橋さん、今更遠慮なんか必要ないわ。ズバリどうぞ」

私は缶コーヒーを飲みながら、隣の倉橋さんの方を向いてさらっと言ったわ

彼は「よし」とひと頷きしてから、”本題”を話し始めたわ


...



「まず、組外部のしかも未成年の君に伝えるべきことじゃないんだが、俺としては君は知るべき人間だと思う。言うぞ」

「ええ」

「ウチは近い将来、極道の枠組みから外れる方針だよ。具体的には剣崎さんが次を継いだ時点でだ。今回、”相手方”にはこれを事前承認させた。ここがポイントになる」

「…」

なんか突飛で、今いちよくわからん

「これからの話は、これを知ってもらった上じゃないと進まないからな。要は、これが前提で、いくつかの合意がなされたんだ」

彼はゆっくりと丁寧に説明してくれたわ

それで、だいたいは呑み込めたわ

ふーん、そういう訳か…


...



「当面はこのまま、お互い無駄な血を流さず、やって行こうとな。無論、この世界はスキがあればいただく。第一、関東と関西の連携なんか、いつぶっ飛んでも不思議ないしな。それは各者承知で、今後のルールを定めた。業界でも、相馬会長が他界した後の結果ということなら、妥当なところと受け止めるはずだ。問題は最初に言ったことになる」

なんか、矢島さんと剣崎さんは近い将来、広域暴○団を絶滅させるような法律ができることを権力側から聞かされ、それを見通した組の将来像を作り上げてきたらしいよ

今回、自分たちの”未来”を知らない、同業でライバルの”相手方”には、相和会が生まれか変わる承諾とともに、それを妨げるすべての事象を生じさせないと言う確約まで取りつけたんだそうだ

フン、ここまで聞けば、私にはほぼ全部掴めたわ

「これだけ話せば、麻衣ちゃんのことだ。もう察しはついていると思う」

彼もすかさず、この言葉だもんね(苦笑)


...



「相和会にとって何がまずいって言ったら、この前、建田さんをひっくりかえした3本の矢の内、私らがかかわったことでしょう、まずは」

「ああ、そうなる。例にのクスリの件だ。それと、建田組から資金を”移動”させたことだな。結論を言えば、相手さんリークするつもりもないし、そもそもできない。了解せざるを得なかった訳だ」

「でも、相和会にリークをチラつかせることはできる。そこで、それを抑止力とするための交換条件を放つわね。何だったの、向こうの要求は?」

私はここで強い口調になった

無意識だったけど、私にとって一番肝心なことだと感じ取ったみたい