ヒートフルーツ【特別編集版第2部】/リアル80’S青春群像ストーリー♪

清濁併呑/その10
麻衣




「それで、さっきさ、あんこう先輩に”仕事”の報告してきたんだけど、最新の情報を聞いてね。どうやら南玉がまとまったって」

「そう!じゃあ、あのカモシカがやっぱり…」

「うん。おけいのヤツ、各校部隊の主だった連中をその場でたたんじゃったらしいや。例の熱血オーラでパタパタっと(笑)。そんで返す刀で祥子立会いの下、走りの静美に会って、冴木ひとみとの握手ということで、首を縦に振らせてきたとさ」

「ほー、あいかわらず大したもんね、横田って女は。でもこれって…。麻衣さんと横田競子の二人がさ、結果的には協力して南玉連合を分裂の危機から救ったってことになるんじゃないの?」

そういうことになる…

本郷麻衣に深い憎悪の念を持つおけいが、その私と離れていながらも、絶妙の共同作業で一つの目的を達成させたんだ

おそらくは、アイツもそのことを自覚しながら

全く何とも因果な関係だよな、私達…


...



「そうなると…、だいぶ防波堤は高くなったことになるなわね。反排赤の名のもとに…」

確かにだ

砂垣順二にとって、同じ星流会がバックとはいえ、今回はこれまでとは”本質”が違う

そこんとこは、”あそこ”の顔デカ親分にサシで詰め合った私がよく理解できてる

故に、今回の砂垣は絶対の自信で来てる

だから迎え撃つ側は、ばらついてたら一気にやられる

そういう意味では、南玉が主軸としてビルドアップできたのは心強い限りだよ


...



「ええ、そういうことよ…。それで真樹子さん、その他の勢力の方は?」

「ふふ…、片桐さんからは、すでに協力を取り付けてあるわ。だけどね、態度を明確にするのは、もう少し後にしたいって。タイミングの見定めってことで、タメを利かせたい意向ね。それに…、リエが渋ってるみたいなのよ。その辺の調整もあるのかな…」

「ひょっとして…、”例の”いきさつを根に持ってるってこと?」

「その様ね。まあ、”あの時”は、リエ、頭から湯気出して怒り狂っていたからねえ…(苦笑)」

「へー、まだふくれっ面とはね。あのドライな仕事人のリエがさ…(苦笑)」

「ははは…、たぶん大丈夫でしょ。そうそう、久美は戻ったんだよね、もう…」

「先週からね。張り切ってるわよ、アイツ(笑)。馬美も復帰してくれたし、南玉連合は一本にまとまっただけじゃなく、集団として劇的に変貌を遂げたのよ。こうなると、南玉は対砂垣勢力で求心力が青天井の勢いになるわ。さあ、奴らがどこまで力攻めしてくるか、外からじっくり見物しようっと」

真樹子さんの前ではそう呑気に振舞ったが、実際の私には、そんな楽観などない

都県境の命運は、ある思惑の決着次第でガラッと変わり得るんだ

それによって排赤×反排赤の戦いの枠組み、要するにルール自体が決まるってことよ

そして、”そこ”の真ん中には私がいる…