ヒートフルーツ【特別編集版第2部】/リアル80’S青春群像ストーリー♪

清濁併呑/その6
ケイコ




「あのテントのことは、一時たりとも忘れてない。悔しかった…。別に、静美が荒子さんに殴られなかったからってことだけじゃないよ!麻衣は、上の言いつけを再三無視して、あの厳粛な総集会の場で、ケンカを売ってきたよ。それをスタンドプレーに利用したんだ!」

これは、総集会にいた誰もが周知していることだ…

「麻衣は土下座してたけどさ、多美と私の前で。でも、私らに詫びる気持ちなんて、さらさらなのは一目瞭然だったよ。ヤツは計算してたんだ。勝手に祥子さんをドッグスに加入させた件と、バーターにできるってことで。ふざけんなって!荒子さんの総長就任の記念すべき瞬間を、心から祝福してた私らの心をもて遊んで…」

「さえ…、多美だってその時のこと、忘れてないよ。多美は言ってた。あの総集会で、最初に手を出したのは自分だったからって。挑発してきた久美を、ボコボコにしてたのを先輩らに咎められてさ…。今日はこれ以上、絶対ケンカすんなって、親衛隊に号令かけたのは私だったんだとね…」

当時から多美は、荒子さんの親衛隊に並み居る”狂犬コピー”の中でも、秘蔵っ子格だったそうだ


...



「なのに、ケンカ仕掛けられても殴られ続けてたさえには、麻衣が土下座したんだから我慢しようやって諌めた。それ、さえの気持ちだったら、納得いかなかっただろうに、あの時は荒子さんの立場を優先させた…。そういう気持ちに苛まれてたんだよ、多美もさ…」

「おけい、アンタに言われれば、そこで納得さ。でも、アンタはもういないんだ、南玉には…。ここではいったん納得しても、これからを思うと信じる糧がないんだよ、私らには‥。だから、今ひとつ踏ん切りがつかない。これが本心だ、少なくとも私の…」

「さえ、私はもう南玉には戻れないけど、みんなとは今後も一緒に問題を共有するさ。多美を指名したのは私だ。彼女の足りないとこで、組織外の私が補えるんであれば何でもやる。力になる。多美と祥子は、私心も過去のいざこざもすべて捨ててるんだよ。ここは信じてやって欲しいんだ…」

精魂込めて、吐き出した…

亜咲さん、紅子さん、こんな程度です

私にできることは…