ヒートフルーツ【特別編集版第2部】/リアル80’S青春群像ストーリー♪

果てなく、妖しく…/その7
麻衣



「さっそくの快諾、ありがとうございます。次なんですが…、これから真樹子さんとの話をお聞きいただき、私が動きやす方向へ、”巷の誘導”をお願いしたいんです。ただ、先ほど言いました通り、以前のように先輩へのペイができませんので、その分はいただく仕事の分から天引き、もしくはツケでよろしいでしょうか?」

「ああ、いいよ」

「恐縮です。ひとつ、よろしくお願いいたします。最後に、もう一つ…。あの…、”これ”、先輩に預かっていただきたいんです」

私はこの場に持参した”あるモノ”を、先輩の前に差し出した

いやあ、さすがのアンコウ先輩も、目が点になってる(笑)

「なんだい⁉こりゃ…」

私は、かくかく云々をお話ししてね


...



「…お前、何をやる気だよ、これから!”こんなもん”を私に預けて…」

いつも人をおちょくってる顔が定番の先輩にしては、その”まじめ”な表情が妙におかしかったが、笑いをこらえて私は答えたわよ

「自分で言うのもなんですが、ここに来て、イカレの程度が青天井なんですよ、私。まあ、そういうことです」

「…わかったよ、麻衣。確かに”これ”は預かる。お前の意思通りにやるから安心しな」

このアンコウ、こういうところは信頼できるんだよな(苦笑)


...



アンコウとの話がついて、いろいろ雑談をしていると、真樹子さんが到着した!

「麻衣さんー‼いやあ、会いたかったわよー。まあ…、こんなにやつれちゃって…。大丈夫なの?」

「体の方は、何とかです。真樹子さんの方はなんか、キレイになったなあ…。ああそうか、順調なんですね、愛しの人とは…」

「いや、ハハハ…。でも相変わらずケバイでしょ?」

「ははっ…、ケバさは消せないもんなんですね、恋しても…」

3人は大笑いだったわ


...



その後、昼食を共にしながら、真樹子さんには何点かお願い事をしたが、結局は全部、承諾してもらった

ただ、予想通り、”あの件”については結構、躊躇してたけどね

さあ…、これで”復帰後”の下地つくりは目途がついた

この後、久美をさっさとたたんで、できれば夕食はおかあさんと一緒にしたいな…

そんなことを頭の中で考えていたら、バイクの音が聞こえてきたぞ

久美が来たわ

よし、この時間ならお母さんとのごはん、大丈夫だわ(笑)

久美、エライ!