(そういえば、どうしてあんな反応だったのかな? 樹くんだって面倒なことにはなりたくないと思うんだけどなぁ)
ドリンクを作りながら、この一か月ほど繰り返している疑問がまた過る。なんとなく彼には訊けない雰囲気なのもあって、未だに解決していなかった。
「オーダー、コーヒーワン。カフェモカワン、ショットスリー、ノンファット」
レジにいるスタッフからのオーダーを捌き、「お待たせいたしました」と顔を上げる。
「コーヒーとカフェモカで――」
笑顔で手渡そうとしたとき、目を見開いてしまった。
コーヒーとカフェモカを頼んだお客様は、パイロット制服姿の樹くんだったのだ。
濃紺のダブルジャケットに、手首に入った三本のゴールドのライン。ネクタイの色はジャケットとお揃いで、白いシャツの清潔感が際立っている。
制帽は被っていないけれど、胸元についているウィングバッジが輝いていた。
彼の洗練された雰囲気に、とても似合う。
この店舗に配属されて、一か月半。
すでに樹くんの制服姿は数回は見ているというのに、今日もうっかり見入ってしまいそうになるくらいに……。
ドリンクを作りながら、この一か月ほど繰り返している疑問がまた過る。なんとなく彼には訊けない雰囲気なのもあって、未だに解決していなかった。
「オーダー、コーヒーワン。カフェモカワン、ショットスリー、ノンファット」
レジにいるスタッフからのオーダーを捌き、「お待たせいたしました」と顔を上げる。
「コーヒーとカフェモカで――」
笑顔で手渡そうとしたとき、目を見開いてしまった。
コーヒーとカフェモカを頼んだお客様は、パイロット制服姿の樹くんだったのだ。
濃紺のダブルジャケットに、手首に入った三本のゴールドのライン。ネクタイの色はジャケットとお揃いで、白いシャツの清潔感が際立っている。
制帽は被っていないけれど、胸元についているウィングバッジが輝いていた。
彼の洗練された雰囲気に、とても似合う。
この店舗に配属されて、一か月半。
すでに樹くんの制服姿は数回は見ているというのに、今日もうっかり見入ってしまいそうになるくらいに……。