極上パイロットは偽り妻への恋情を隠さない

「気づいてたの?」

「俺が家にいない日は別として、これまで見たことがなかったし。芽衣なら、今日のために買ったんじゃないかなと思って」


私のことをよく見てくれているのはもちろん、本当によくわかってくれている。


「うん。せっかくの誕生日デートだから、樹くんに可愛いって思ってもらいたくて」

「そっか。可愛い妻にそんな風に思ってもらえて、俺は幸せ者だな」


思わず素直な気持ちを告げれば、彼が嬉しそうに破顔した。


「乾杯しよう」

「うん」

「改めて、誕生日おめでとう。芽衣が生まれた日を一緒に祝えて嬉しいよ」

「ありがとう。私も、樹くんと過ごせてすごく嬉しい。昼間も今も、樹くんにお祝いしてもらえて本当に幸せだよ」


シャンパンで乾杯をすると、すぐにアミューズが運ばれてきた。
帆立といくらのオレンジマリネに始まり、アワビとポルチーニに茄子のムースのアントレ、スープは北海道産のじゃがいものビシソワーズ。


ポワソンは旬の戻り鰹にビーツと白ワインソースがあしらわれたものが出され、アントレは和牛フィレ肉のプランチャ焼きをボルドレーズソースでいただいた。


デセールは、シャインマスカットの冷製スープ仕立てにミントが混ぜ込まれたバニラアイスが添えられていて、アイスの上には飴細工が乗っている。