極上パイロットは偽り妻への恋情を隠さない

ホテルを出たあとは、東京スカイツリーに向かった。


目的は、近くで開催されている金魚ミュージアム。せっかくだから、あとでスカイツリーにも上ることにした。


金魚ミュージアムは、多くのお客さんで賑わっていた。
会場は、ゆっくり見ても一時間ほどで回れるようだ。


薄暗い屋内に設置された金魚鉢を模した大きな水槽や球体型の水槽はライトで照らされ、その中で美しい金魚たちが悠然と泳いでいる。
彼と手を繋いで回りながら、私は夢中で鑑賞してしまった。


「芽衣、見て。お祭りの金魚がいる」

「本当だ。ここだけ懐かしい感じがするね」


あまり目立たない位置にあった水槽にいたのは、小さな金魚たち。いわゆる、金魚すくいで見かけるもので、出目金と呼ばれる種類も泳いでいる。


「そういえば、金魚すくいで樹くんが取ってくれた金魚、すごく長生きしたよね」


ふと思い出したのは、実家の近くの神社で毎年行われるお祭りでのこと。
私が幼稚園くらいの年齢のときに取ってもらった白い体に赤色が混じった金魚は、我が家の水槽で長年過ごしてくれた。