極上パイロットは偽り妻への恋情を隠さない


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七月二十七日、私は二十九歳の誕生日を迎えた。


ロイヤルカフェはバースデー休暇があるため、今日は休みだ。
しかも、樹くんも有休を申請してくれていた。


彼いわく、今日は絶対に一緒に過ごしたかったからと、告白し合う前から有休を取ってくれていたのだとか。
それを知ったとき、本当に嬉しかった。


なにがしたいかリクエストを訊いてくれたため、SNSで話題の金魚ミュージアムに行きたいとお願いしておいた。
他のことは、樹くんが考えてくれている。


「まずはブランチな」

「うん、どこに行くの?」


昨夜、彼から朝食を食べないように言われたため、朝はゆっくり過ごした。


「アフタヌーンティーを予約してるんだ。前にテレビでやってたホテルのアフタヌーンティー、行きたがってただろ? 今の季節は芽衣が好きな桃らしいよ」

「えっ、いいの? アフタヌーンティーに行けるなんて思ってもみなかった!」


予想外のプランに驚きながらも、朝食を抜くように言われた理由を察する。
申し訳ないような気持ちになった反面、すでにワクワクし始めていた。