七月も下旬に入った頃、久しぶりに梅と会った。


「……で、どうにか丸く収まった、と」


お気に入りのカフェの一角で、彼女が呆れたように肩を竦める。


私たちのテーブルには、アイスティーと名物のタルトが並んでいる。
タルトに飾られたいちごやオレンジ、マスカットやチェリー、ブルーベリーなど色とりどりのフルーツがキラキラと輝いていた。


「お騒がせしました……」

「いや、本当にね。まあそのうちくっつくだろうとは思ってたけど、中学生かよ！って感じ」

「中学生……」

「芽衣はまったく気づいてなかったみたいだけど、私から見れば樹さんが芽衣にメロメロなのが丸わかりだったからね」

「えっ……？　そうなの？」


梅は「本当に無自覚だったんかい！」と関西人顔負けの鋭い突っ込みを入れてきたけれど、私はたじろぎながらも頷くことしかできなかった。


「ねぇ、樹くんどこがそんな風に見えたの？」


呆れられているとわかっていても気になって、梅をじっと見つめてしまう。そんな私に、彼女がげんなりしたようにため息をついた。