「芽衣、久しぶりだな。元気だった?」
「久しぶり。まあまあ元気にやってるよ。聡くんも元気そうだね」
なんて会話をしていると、最後にもうひとり男性が現れた。
香坂家の長男の、樹くんだ。
「樹くん!」
目を真ん丸にする私に、切れ長の二重瞼の目が緩められる。その笑顔はとても落ち着いた雰囲気で、久しぶりに見る彼は相変わらずかっこよかった。
「久しぶり、芽衣」
思わず、どぎまぎしそうになる。
私はなんとか笑みを返したけれど、動揺を隠せそうになくてキッチンに逃げた。
「お母さん、樹くんも来るならちゃんと教えてよ……!」
「さっき言ったじゃない。香坂さんも一緒に食べるって」
確かに聞いた。
ただ、私たち子どもがそれぞれ大人になり、自立してからはそうそう顔を合わせることなんてなかった。少なくとも、樹くんとは真衣の結婚式以来会っていない。
この近所に住んでいる聡くんはともかく、多忙な樹くんが来るなんて思いもしなかった。驚くのも無理はないと思う。
「久しぶり。まあまあ元気にやってるよ。聡くんも元気そうだね」
なんて会話をしていると、最後にもうひとり男性が現れた。
香坂家の長男の、樹くんだ。
「樹くん!」
目を真ん丸にする私に、切れ長の二重瞼の目が緩められる。その笑顔はとても落ち着いた雰囲気で、久しぶりに見る彼は相変わらずかっこよかった。
「久しぶり、芽衣」
思わず、どぎまぎしそうになる。
私はなんとか笑みを返したけれど、動揺を隠せそうになくてキッチンに逃げた。
「お母さん、樹くんも来るならちゃんと教えてよ……!」
「さっき言ったじゃない。香坂さんも一緒に食べるって」
確かに聞いた。
ただ、私たち子どもがそれぞれ大人になり、自立してからはそうそう顔を合わせることなんてなかった。少なくとも、樹くんとは真衣の結婚式以来会っていない。
この近所に住んでいる聡くんはともかく、多忙な樹くんが来るなんて思いもしなかった。驚くのも無理はないと思う。



