極上パイロットは偽り妻への恋情を隠さない

「ただ、芽衣のことはずっと妹みたいに思ってたから、そのときには自分の気持ちを認められなかった。でも、聡の結婚式で会ったときにも芽衣に見惚れて……。どうしたって芽衣を意識してる自分がいることに気づいて、もう認めざるを得なかった」


静かに語られる想いに、喜びと困惑がない交ぜになっていく。


「でも、芽衣にはずっと幼なじみとしか見られてないと思ってたし、俺がこの気持ちを伝えれば芽衣を困らせると思ってた。一緒に飲んだときに『初恋だった』って言ってくれたけど、そんなのは子どもの頃の話だしな」


けれど、彼の気持ちを知りたくて、視線は逸らさなかった。


「だから、伝えるつもりはなかったんだ。家族ぐるみで付き合いがある俺のことを振ったら、芽衣が実家に帰りづらくなるかもしれないと思って……。滅多に帰ってない俺はともかく、芽衣は母さんたちとも会う機会があるだろうし」


樹くんは、自分の想いよりも私の立場を優先してくれたということ。
その優しさが嬉しくて、けれどほんの少しだけ切なかった。


「でも、あの夜の芽衣との時間が楽しすぎて、もう自分の気持ちに蓋をし続けるのは無理だと思った。それで、告白するつもりでいたんだけど……」


彼が眉を下げ、息を小さく吐いた。