「わかった、ありがとう」

 電話を置き、ふぅーと溜息…


 『どうかしましたか?』


 大和が少し心配そうに声をかけてくる。


 家政婦からの電話、凛の顔色が良くないとの連絡だ。


 「凛のことを心配して連絡をくれたのだ、食欲がないと。」


 それだけではない、ゴミ箱の中の沢山の血のついた絆創膏、足の小指に貼っているのを見かけたらしい。


 俺は一緒に生活をするようになってから、いつまともに会話した?、正面から顔を見たのはいつだ?


 大切にすると自分で伝えておきながら、俺は…


 自分の思いに凛を巻き込んで、凛が必死に頑張っている姿に甘え、彼女に何もしていない。


 業界トップに立ちたいだと、一番身近な存在さえ満足に大切に出来無いのに。


 これでは全てを失う…


 凛を大切にしたい、笑顔が見たい北関東で見たあの太陽ような優しい笑顔。


 俺は大和に相談した。