ピロン

『紗奈、学校休んでるけど大丈夫か?』

あ、遊からLINEだ。そうだ、休むことは未那にしか言ってないんだった。

『もしかして、二葉先輩が関係してる?』

『いや、お母さんのアパートに来てるの』

『なんだよ、心配して損した。』

『その言い方なくない?笑』

『嘘だよ笑笑』

遊とLINEしていたら、

「何ニヤニヤしてるの~?」

莉里が冷やかしてきた。

「えっ、してないし!」

「あっ、もしかしてカ・レ・シ?笑」

「ちがう!!!遊だよ!」

「なんだよ、遊くんか」

するとなにやらまたニヤニヤし始めた莉里。

「あっ、遊くんにニヤついてたってことですか~?」

わざとムカつかせる言い方をする莉里…。

「…お姉ちゃんの、恋愛事情聞いてくれる?」

ふざけた雰囲気から一変させてしまった…。

あからさまにびっくりしている莉里だけど、すぐに『どうしたの?』と、優しい口調になった。

二葉くんとの関係を話し、それからもう3ヶ月が経っていることを話す。

そして、二葉くんと喧嘩したことも。香菜先輩のことも話した。

莉里はずっと私の話に耳を傾けてくれた。真剣に聞いて、たまに頷いて。

私の話を聞き終わった莉里は、私に問いかけをしなかった。きっと莉里の優しさだろう。

「お姉ちゃん!ボーッとしてないで早く食べて!冷めちゃう。」

莉里の声でハッと我にかえった。

「うん。そうだね、早く食べて片付け終わらせちゃおう!」

自分の心の声がバレないように、無駄に大きな声を出して言った。