甘く痺れる恋情~華麗なる御曹司は愛しい運命をもう二度と手放さない~

「旺志、なにを言ってる! お前は本家の長男なんだぞ!」

「ええ、そうですね。ですが、神室にとって俺の代わりはいくらでもいます。大志は優秀ですし、分家にだっていくらでも人材はいるでしょう」


お父様の言葉にも、彼は怯んだり戸惑ったりする様子はない。


「だが、俺にとって真白の代わりはいない。たとえ誰になんと言われようと、どれだけ邪魔をされようと、俺は真白を手放す気はない。俺から真白を奪う奴は許さない」


最初からこうすることを決めていたようで、旺志さんはご両親たちに鋭い視線を向けた。


本音を言うと、彼の気持ちがとても嬉しかった。
旺志さんが私を手放さないと言葉でも態度でも示してくれることにホッとし、こんなときなのに幸福感も抱いた。


「神室は俺がいなくてもどうにでもなる。だが、俺は真白がいなければ、生きている意味がないと思うほどに虚無感でいっぱいだった……。だから俺は、真白を守るために神室を捨てる覚悟を決めました」


けれど、同時に戸惑いも大きくなった。


(本当にこれでいいの? あのとき、私は旺志さんの邪魔になりたくなくて旺志さんの傍を離れたのに、旺志さんが神室を捨てることになったらふたりで傷ついたのは無駄に……。ううん、それよりも旺志さんのことを考えなきゃ)