「姿を消した日のことを話したくないのなら、それでもいい。いつか言ってくれる日まで待つし、一生話したくないのならそれでも構わない。だが、俺から逃げ切れるなんて思うな。なにがあっても、何度でも、俺は真白を見つけ出す」
ひたむきな想いが痛くて、どうしようもないほどに嬉しくて。けれど、彼の幸せを願って別れを選んだ過去の私が、喜ぶことを許さない。
「どうして忘れてくれなかったの……」
せめて、旺志さんが私を忘れてくれていればいい、と思っていた。
彼との思い出は私だけが覚えていればいい、と。
そうでも思わなければ、旺志さんのいない人生を生きていけそうになかったから。
「俺をここまで執着させたのは真白だ」
それなのに、彼は私のことを忘れてはくれなかった。
そして私は、その事実を知ってもう死んでもいいと思えるくらい嬉しかった。
「どうしてこんなにも愛してるのに……真白だって俺をまだ愛してくれてるはずなのに、忘れなければいけないんだ」
悲しげに微笑んだ旺志さんが、私の手をそっと取る。
まるで毎晩眠るときのように優しく、それでいて離さないと言わんばかりの力を込めて。
「冗談でしょう?」
けれど、私はその手を振り払う。
もう未練なんてない、と伝えるがごとく冷たい声音を添え、全力で彼を突き放す。
そうしなければ、あのとき離れた意味がなくなってしまうから。
ひたむきな想いが痛くて、どうしようもないほどに嬉しくて。けれど、彼の幸せを願って別れを選んだ過去の私が、喜ぶことを許さない。
「どうして忘れてくれなかったの……」
せめて、旺志さんが私を忘れてくれていればいい、と思っていた。
彼との思い出は私だけが覚えていればいい、と。
そうでも思わなければ、旺志さんのいない人生を生きていけそうになかったから。
「俺をここまで執着させたのは真白だ」
それなのに、彼は私のことを忘れてはくれなかった。
そして私は、その事実を知ってもう死んでもいいと思えるくらい嬉しかった。
「どうしてこんなにも愛してるのに……真白だって俺をまだ愛してくれてるはずなのに、忘れなければいけないんだ」
悲しげに微笑んだ旺志さんが、私の手をそっと取る。
まるで毎晩眠るときのように優しく、それでいて離さないと言わんばかりの力を込めて。
「冗談でしょう?」
けれど、私はその手を振り払う。
もう未練なんてない、と伝えるがごとく冷たい声音を添え、全力で彼を突き放す。
そうしなければ、あのとき離れた意味がなくなってしまうから。



