甘く痺れる恋情~華麗なる御曹司は愛しい運命をもう二度と手放さない~

ペールピンクのドレスも、シニヨンのようなまとめ髪も、二年前に旺志さんが決めた。
戸惑うだけだった二十六歳の私に、彼はネックレスやイヤリングまですべて選んでくれ、とても幸せそうに微笑んでいた。


眩しいくらいの記憶が、昨日のことのように蘇ってくる。
まるであの夜の再現をする旺志さんを前に、戸惑わずにはいられなかった。


「旺志さんはなにがしたいの?」


ぽつりと零し、視線を落とす。美しくデコレーションされたブッシュ・ド・ノエルが、どこか寂しげに見えた。


「俺は……」


そこで言葉を止めた彼に惹かれるように、そっと顔を上げる。
すると、視線がぶつかり、絡み合うがごとく逸らせなくなった。


「真白を取り戻したい」


目を真ん丸にした私は、なにも言えなかった。
けれど、真っ直ぐな想いが痛くて。そして、それを受け取れない現実に、心臓が握り潰されてしまいそうだった。


「出よう」


旺志さんは言うが早く立ち上がり、私の手を引いて歩き出す。


「っ、旺志さん……!」


戸惑う私は、縺れそうになる足を必死に動かし、彼についていくしかない。
エレベーターで最上階から二階下のにある宿泊フロアにたどりつくと、頭の片隅に過った通り、二年前と同じ部屋に連れ込まれた。