甘い笑顔で見つめられると、私は脳がパニックになるタイプです。
長い付き合いになりそうなら、ぜひ覚えていただいて。
コミュ障の私と、距離を取っていただけたら嬉しいのですが……
「話しズレた。総長、なんで帷っちとナッキーは、この寮にいないわけ?」と、ハテナを浮かべた環くん。
コンロの前に戻った総長は
「帷はドラマと雑誌の撮影で忙しすぎて、今はホテルに泊まっているんだ」
と、温めたフライパンに溶き卵を流した。
「風紀委員のナッキーは?」
「あいつは、なんつーか。まだOKをもらってない……」
「そうなの? アイドルはやりたくないって、断ってるってこと?」
「まぁな」



