俺から奪う様に割り込んできたのは、天使顔の環で
「ひーちゃん、ひーちゃん。クリスマスプレゼントあげるから、こっちに来て来て」
可愛い甘え声をもらしながら、姫歌の腕をギュー。
強引に引っ張って、姫花をこたつの中に座らせた。
女子の警戒心をとく美少女笑顔を武器に、環はしれっと姫歌の隣に座りこんでいる。
「はい、ひーちゃん。俺からのプレゼント」
「大きな……毛布かな?」
「当たり~ 二人で一緒にあったまれるくらい大きな毛布だよ。これからこたつでヌクヌクするときは、二人でこの毛布にくるまってあったまろうね」
姫歌に肩をぶつけながら、桜色のフワフワ毛布を広げ始めた環。
もちろん俺は、黙って見ているなんてできやしない。
並んでこたつに入るだけでも贅沢なのに、一枚の毛布に姫歌とくるまるなんて許されるわけがないだろうが!
「姫歌に近づきすぎなんだよ!」
俺は不機嫌顔で環から毛布を奪う。
ズカズカとクリスマスツリーの前に行くと
「オマエも寒いよな?」と、毛布をクリスマスツリーにぶん投げた。



