「カップの上にパイ生地が膨らんでる」
「中身、シチューな」
「私、子供の頃からシチューが大好きで、パイが乗ってるのに憧れていて」
知ってる。妹の朝湖から聞いた。
それにしてもパイ生地って、冷凍コーナーにおいてあるのかよ。
てっきりお菓子売り場だとおもって、無駄にうろついちゃったし。
「総長様は、本当に料理が上手なんですね」
「そういうことは、食べてから言え」
ヤバい。
姫歌が料理を作った俺を、ほめまくってくれているこの状況。
他の奴らに邪魔されたくないくらい、楽しすぎなんだけど。
でもまぁ、そーだろうな。
他の男性陣は全く楽しくないだろうな。



