アイドル選手権大会で、姫歌は変わった。
大勢の前で自分の想いを言葉にしたからだろう。
人と話すとき、前ほどオドオドはしなくなった。
次は俺が変わる番だよな?
姫歌が姫歌らしくキラキラと瞳を輝かせて生きられるように、全力て支えてあげられる男にならなければ!
「よーし、ケーキが完成だ!」
生クリームとイチゴの3段ケーキを眺め、自己満足でニヤつく俺。
自分の結婚式は、リビングにそびえるクリスマスツリーよりも高いケーキを、姫歌と一本のナイフを一緒に握りしめ、カットして……
なんて甘い妄想をしてしまうのは、重症なくらい姫歌に沼っている証拠だろう。
パーティー料理が所狭しと並ぶダイニングテーブルの中央。
3段ケーキを置いた直後、リビングに帷、環、直月が入って来た。
「お庭だけじゃなくお家全体がピカピカキラキラしていて、光のお城かと思っちゃった」
続けて入って来た姫花は、控えめに両手を口の前で合わせうっとり笑顔。



