総長様の怒りの矛先は、私じゃないよね?
そういえばさっき、絢人先生が言っていたような。
東条くんが、なんとかかんとか……
ダメだ、全く思い出せません。
「うわっ。かくまって、花園さん」
えっ?
私の後ろにすっぽりと隠れたのは、困り声を震わせた環くん。
どうやら魔王並みに怒りオーラを放っている総長様の探し人は、私ではないようだ。
ホッとはした。
でも、私が盾になってるこの状況。
心の底から安心しきったとは、言いきれないような……
ひぃえぇぇぇ。
環くんを背中にかくまう私を、総長様が睨んでくるんですけど。
怖い!
無理ぃぃ~
口から魂が、飛び出しちゃいそう。



