ダルそうな声を上げ、姫歌のひざ掛けに顔をうずめながら寝転んでいた環だったけれど
――ピンポーン。
来客を知らせるチャイムが鳴ったとたん、ムクッと飛び起き
「ひーちゃんだ!」
こたつから出て、玄関まで猛ダッシュ。
「はぁ~ 一歩も動けないんじゃなかったのかよ」
俺はスポンジケーキに生クリームを絞りながら
「まぁ、気持ちはわかるけどな」
フッと笑みがこぼれてしまった。
部屋の飾りつけをしていた、とばりと直月も手を止めて
「マイプリンセスに、庭のイルミネーションを堪能してもらわないとね」
「主に僕が外の飾りつけをしたんだ。僕が姫歌ちゃんをエスコートするからな」
広いLDKに俺だけを残し、みんなは外に出て行ってしまった。



