野いちご学園 逆ハーアイドル寮



ステージの上で、いきなりマイクを持ってしゃべった私。

今思い返せば、なんて無茶な荒療治だったんだろうと笑ってしまうけれど。

真っ白なタキシードに赤いマントを羽織った4人のサンタさんたちが背中を押してくれたから、私は変われた気がするんです。




失敗が怖い。

だから挑戦したくない。



人に嫌われるのが怖い。

だから話しかけない。



それが私の、心の守り方だった。



でも、4人に教えてもらいました。



傷つく恐怖を乗り越えチャレンジした先には、クリスマスイルミネーションのようにキラキラな未来が待っていること。



そして、がむしゃらに頑張った自分のことを、ちょっとだけ好きになれることを。




アイドル選手権大会が終わり、クリスマスの魔法は溶けてしまうけれど。

これからも今みたいなすがすがしい気持ちで、堂々と顔をあげて生きていけたらいいな。




帰り支度をしながら、ワチャワチャと口喧嘩をしている4人を見て


『サンタさんたち、本当にありがとう』


心の中だけで心の底から感謝をした、私だったのでした。