……なっ、なんで?
ウソだよね?
エンタメだよね?
客席から
「イヤ~~!」
「みんなのとばり君なのに!」
と、天井を突き破りそうなほどの泣きの悲鳴が湧き起こってしまいました。
もう頼れるのは、彼しかいない。
助けて、環くん!!
あれ?
私の目の前にある美少女笑顔。
キラキラしすぎていて、逆に怖すぎなんですけど……
「ひーちゃんの運命の相手は、俺以外ありえないよね?」
「……えっ?」
「だって俺、ひーちゃんの匂いとナデナデがないと生きていけないもん。だから俺を選んでね」
グリグリな瞳が見えなくなるくらい、ニッコリって……
野いちご学園の王子様たち、お願いします。
マイクを通して、思ってもないことを言わないでください。
ここ、ステージの上なんです。
テレビの生放送中なんです。
全国のお茶の間に、このワチャワチャ劇が流れてしまっているんですから。



