「姫歌! まぶしい世界に飛び出す覚悟はできた?」
ステージでから飛んできた魔王声。
とばり君と直月くんの肩に腕を回し、イヒヒと悪っぽく笑っているのは総長様。
「ひーちゃんが頑張ったら、ご褒美ね。えらかったねって頭をナデナデしてあげる」
目の前に立つ環くんが、私を癒そうとしてくれたのかと思いきや
「だ・か・ら~。今は俺の頭をナデナデしてね」
語尾を楽しそうに跳ね上げながら、私の手を掴み
「ひーちゃんの手も匂いも、ほんんと癒される」
環くんの頭に私の手をのせ、撫でさせるように私の手を動かしたから
――フフフ。いつもののほほん王子様だ。
笑みがこぼれたと同時、私の心の中を埋め尽くしていた不安の塊が、サーっと消えてくれた。



