野いちご学園 逆ハーアイドル寮



4人ともすごいな。

私はただキーボードで主旋律を作って、歌詞をつけて渡しただけ。



それなのに軽音部の人たちが仕上げた本格的な音源に合わせ、お客さんを魅了するパフォーマンスを、パーフェクトにやってみせるなんて。




長い前髪の隙間から、ステージを眺めていた私。

前髪も横髪も顔の前にカサカサ集め、唇をかみしめうつむいた。



目からこぼれる、稲森さんの魅力に嫉妬した時よりも大きな涙たち。

雫となって、制服のスカートを濡らしていく。




ものすごく悔しいんです。

なんで私、紹介MCを断っちゃったんだろうって。



わかっている。

稲森さんの方が適任だって。

学園のマドンナがステージでしゃべっているところを見て、コミュ障の私がやらなくて正解だったと思ったけれど。



本当は……



この王子様4人と一緒に、私はステージに上がりたかったんだ。



人と関わるのが苦手だけど。

人前でしゃべるのなんか、もってのほかな私だけど。

努力をすればこんな私でも変われるということを、自分の力で証明したかったんだ。