今にも泣きそう顔で、封筒の中を覗き込んだ花園さん。
「封筒の中……新幹線チケットと、アイドル選手権大会の入場券が入ってる……あと手紙も……」
ブルブルと体を震わせながら、花園さんは手紙を開いている。
彼らがどんな言葉で愛を紡いだのかが気になって、いけないと思いながらも手紙を盗み見てしまいました。
やっぱり。
私は彼らに完敗です。
だって……
『姫歌が作った曲に、クリスマスの魔法をかけてやる。俺たち4人でオマエだけのサンタクロースになってやるから、テレビの前じゃなく、会場で俺たちのステージを堪能しろ』
こんなロマンチックでワルめいた言葉、恥ずかしがり屋の私は絶対に紡げませんからね。



