『君たちの気持ちはわかりました。私から花園さんに、この封筒を渡しておきます。ご自宅にいればの話ですが』
口喧嘩から一変、「よっしゃー」と肩を組んで喜び合っている4人。
彼らの姿を見て、私はハッと気づいてしまいました。
心の宝箱に秘めてある、花園さんへの恋心。
私の恋の情熱は、この4人の誰にも勝てないんだろうなと。
敗北したのはあの時だろう。
生物準備室に、花園さんがきてくれて。
先に来ていた稲森さんが「紹介MCをやりたい」と言ったあの瞬間。
私は思ってしまったんだ。
コミュ障の花園さんには無理だ。
人前に立ったら、辛い思いをするに違いない。
トーク慣れをしていて表舞台に立つ度胸がある、稲森さんにお任せした方が絶対に良いと。
でも東条くんたちは違った。
未来の花園さんを信じて、花園さんの背中を押してあげた。



