『ねぇ……直月先輩もタマちゃん先輩も、俺をディスりすぎじゃない? 俺は芸能人だし、今までは世界中の人を平等に愛したいって思っていたけれど。今は姫ちゃんだけだからね。俺の恋のハートを揺らすことができるプリンセスは』
『なんだよそれ。帷は世界中の奴を愛しておけよ。大人気モデルで王子様顔のオマエがライバルとか、マジで最強すぎだし』
『総長は女嫌いでしょ! 俺のひーちゃんを取らないで』
『バーカ。家族以外であいつだけなんだよ。自分の命をかけても守ってあげたい女』
『いつ惚れたわけ?』
『はじめは絢人先生が歌う曲を聞いて、俺の心を揺さぶる曲を作った人間に興味がわいたくらいだけど。妹の朝湖との絡み、マジで天使なんだよ。朝湖が幼稚園の友達とうまくいってない悩みを打ち明けた時なんか、女神に見えるくらい親身になって慰めてて。本気で奪いたくなった。姫歌の全部』
『ちょっちょっと、総長は女嫌いのままでいて! 顔面国宝級の最強総長が溺愛したら、どんな女子もメロメロになっちゃうでしょ。ひーちゃんを一番必要としてるのは、俺なんだよ。俺だけの癒しなの。匂いも、声も、なでなでしてくれるあの手も、ないと俺は生きられないもん』



