普段無表情でいることが多い環くんが、椅子に座ったまま、目をキラキラさせて私を見上げているこの状況。
襲われる?
逃げた方がいい?
足を回転させるくらい、猛スピードでビューンって。
そんなの無理だよ。
笑顔すぎる環くんが逆に怖すぎで、立ったまま震えだしちゃったんだもん。
ひざが、ガクガクブルブルって。
ひぃあ!
環くんが立ち上がった!
抱きしめることができちゃうくらいの至近距離まで、私に詰め寄ったかと思ったら……
今度は私を見下ろしながら、悪っぽく微笑みだして……
「俺、待てが苦手なんだよね~」
そそっ、そうですか。
ワンちゃん系というより、お昼寝が大好きな猫ちゃん系ですもんね。
……って、今は余計なことを考えている場合じゃない!



