顔を隠さなきゃと必死に髪をいじる私の姿が、環くんの瞳にもアライグマとして映っちゃいましたか。
目の前でクスクス笑われていているのが、恥ずかしすぎ。
穴を掘って、今すぐ隠れたいくらい。
環くんは上半身を起こすと、椅子に座ったまま私の膝掛けに顔をうずめた。
「このひざ掛け、花園さんのだよね?」
私はうつむいたままコクリ。
「俺、この匂い好き。すっごく落ち着く」
そっ、それはよかったです。
お母さんの柔軟剤選びが、大成功ということで。
「だから脱いで欲しいな」
えっ?
「制服のブレザー」
待って待って。
美少女顔の王子様に、ニコって微笑まれたんですけど。
「寒さで手がかじかんでる? 俺がボタンをはずしてあげようか?」



