総長様が手を差し伸べてくれましたが、男性の手を自から握ることに抵抗がある私。
「だっ、大丈夫です」と頭を下げ、さっとソファに腰を掛ける。
痛っ。
落下した時にぶつけた背中と腰が、ジンジンするよ。
とばり君は優雅にリビングを歩くと
「フェイスパックって時間がたちすぎると、逆に肌の水分がとられちゃうんだよね」
剥がしたフェイスパックをゴミ箱に捨てた。
そしてプルンプルンのツヤ肌を光らせ、こっちに戻って来たと思ったら……
ん?
私の右と左のクッション部分が、同時沈んで……
んん?
私を挟むように、両隣に総長様ととばりくんが座ったではありませんか。
私に体を向けるように半身をきっているので、二人の組んだ長い足が私にぶつかりそうになっています。



