「オマエ、ビビりすぎ」
今度は背後から、私の肩に誰かの手が乗っかり
ひぃえぇぇぇ!
空中でんぐり返しで、ソファの下に落下してしまったのでした。
あいたたた……
「マイプリンセス、大丈夫?」
「前転するなら、マットの上でやれ」
あれ?
この声って……
「って、帷のせいだぞ!」
「ん? 俺が悪いの?」
「そんなもの顔に貼りつけてるから、姫歌がビビってソファから落ちたんだろうが」
「朝都先輩は冬の天敵が何かわかる? 乾燥だよ。だから、潤いというご褒美を一日の最後にお肌にたっぷり与えなければいけない。これ常識だから」
「何が常識だ。大人気モデルの夜のルーティンを押し付けられても、困るんだが。大丈夫か姫歌。ソファに座れるか?」
「あっ、はい」



