「ちゃんと自分の部屋まで歩け。それで寝る時は、自分のベッドに横になれ」
「ひーちゃんも、俺の部屋に来てくれる?」
「えっ?」
「俺が眠るまで、頭ナデナデしてくれるよね? そうしないと俺、朝まで一睡もできないよ、寝不足で倒れちゃうんだよ」
睡眠のお手伝いをしたいのは、やまやまなのですが。
男の子の部屋に入るのは……
やっぱり遠慮したいなって……
「珠須島環! この寮に来るまでは、一人で寝れていたんだよな?」
「……そうだけど」
「甘えるな。自分を律しろ。そして、姫歌ちゃんを独り占め……なっなんでもない!」
「ナッキーって鬼なの? 総長よりも怖い魔王様なの?」
「姫歌ちゃんは曲を作らなきゃいけないんだぞ。大変な作業で、時間もない。少しは彼女に気をつかえ」
「いやだ~」とダダをこねる環くんの腕を、遠慮なく引っ張る直月君。
環くんはリビングから追い出され、二階の自分の部屋に連れていかれたようです。
大丈夫かな?
環くん、一人で眠れるのかな?



