あわわ、環くん。
隣に座りながら、私の肩を両手でゆすらないでください。
通訳と言われても困ります。
直月くんは顔色を変えず無表情のままだから、喜怒哀楽が読みづらいんです。
直月くんは環くんの腕をガシっと掴むと
「タマだけ特別扱いなんて、絶対に許せない」
環くんを睨みつけながら、彼を立ち上がらせた。
「ほら歩いて。タマの部屋に行くよ」
「無理やり俺の腕を引っ張らないで。痛いじゃん」
「大げさ」
「ナッキーまさか、俺をナッキーの部屋に閉じ込める気? 拷問? 処刑?」
「拷問かぁ。それもありかぁ。タマのお花畑な脳みそをまともにするためには、それなりのショック療法が必要かもしれないな」
直月くんが、悪そうにフッと口角をあげた。
ひぃえぇぇぇ……
直月くん、今から環君に何をする気なの?



