「珠須島環!」
「ナッキー、かたっ苦しいからフルネーム呼びはやめてって言ってるじゃん。環でいいよ」
無表情の直月くんとは正反対。
環くんは、じゃれ猫のようにハイテンションだ。
「じゃあタマって呼ばせてもらう。君は猫っぽいからな」
「それって嫌味?」
「猫に敬意を払った、最高の呼び名じゃないか。気に入らないのか?」
「別に。気に入らないのは、堅物ナッキーの頭の中。理解不能なんだよね」
「僕には、同い年なのに知能指数が幼稚園児レベルの、寝てばかりいる珠須島環の思考の方が理解に苦しむが」
「やっぱり嫌味じゃん」
「幼稚園児に敬意を払っただけだ」
「ひーちゃん。ナッキーの会話、通訳お願い。風紀委員様が宇宙人に見える。意思疎通できる気がしないよ」



