「そんなに驚くことかなぁ? ステージの上では、総長様に負けないくらいカッコよく踊ってみせるんだから。でもさ、俺よりナッキーの方が心配じゃない?」
「直月くん?」
「あの人、真面目人間じゃん。しかめ面ばっかりで滅多にに笑わないから、真面目キャラを崩せなさそう。キュートでパステルチックな曲に合わせて笑顔ふりまくんだよって命令されても、客席を睨んじゃったりして……」
あっ、ありえるかも。
やっぱり4人みんなが歌える無難な曲を、作った方がいいのかなぁ……
「あのさ、勝手に僕の可能性を狭めないでもらえるかな?」
「うわっ、なっ…直月くん?!」
いつの間にキッチンにいたの?!
「ナッキー、いきなりの登場すぎ。足音消してリビング入って来たでしょ? 忍者? ご先祖様が忍びの村出身とか?」
「はぁ? くだらない発想やめろ。僕は水を飲みに来ただけ。この時間はリビングで珠須島環が寝始めるって聞いてたから、気を使ってあげたつもりだったんだけど」



