「ん? 4曲もダンスを覚えるなんて、俺たちが大変そうって思っちゃった?」
「……それもあるけど」
「俺、ひーちゃんのためならダンス頑張るよ」
「あっ、ありがとう」
「で、何が引っかかってるの?」
「例えばね、環くんが他の人がメインの曲を踊るとするでしょ? そしたら、自分とは違うキャラを演じなくちゃいけなくなる。総長様がセンターの曲だと、環くんはダーク感をださなきゃいけなくて。ステージで無理をさせるのは……可哀そうで……」
「もうひーちゃんは、他人思いすぎ。そんなこと気にしなくていいのに」
「……でも」
「俺は顔が乙女チックな西洋ドールなだけで、ワル系男子に憧れてるんだけど」
「えっ? そっ、そうだったの?」



