野いちご学園 逆ハーアイドル寮



悩みに押しつぶされそうで、黙り込んでしまった私。

目まで隠れる私の長い前髪が揺れたことに気づき、ハッとなる。



「ひーちゃん、ナデナデの手が止まってるよ」



環くんはグリグリな目をパッと開け、上半身を起こすと



「お仕置きなんてしないから、安心してね」



ニヒヒと笑いながら私の隣に座った。



ソファで足をばたつかせ、真横から私の顔を覗きこんでくる。



「ねぇ、1曲だけにこだわらなくてもよくない?」


「えっ?」


「4曲作ればいいじゃんって話。俺たち1人ずつをセンターにした曲を4つ作って、メドレーにするのもありじゃない? そしたら、悩み解決でしょ?」




……あっ、確かに。

それなら、4人全員の魅力を表現できそう。



でも……


「一つ、心配なことがあって……」