「ったく。俺とやり合う覚悟がないなら、集団いじめなんてするなっつーの」
と、重い溜息を吐いた総長様。
「俺たちはタマちゃん先輩を探しにこの教室に来たけれど、プリンセスを助けられたから良かったよね~」
とばり君は、顔にかかる金色の髪を指でこすりながら微笑んでいる。
この後
涙を袖で拭きながら
「花園さんが犯人じゃないって、すぐに言えなくてごめんなさい」
と、再び細田さんが私に頭を下げてくれて。
私もどもりながら、巻き込んでしまったこと、修学旅行の新幹線で自分だけの世界にこもってしまったことを謝って。
細田さんに「姫歌ちゃんって呼んでもいいかな?」と聞かれ
私は「ないるちゃん」と呼ばせてもらうことになりました。
名前を呼び合うなんて、お友達っぽい。
フフフ、嬉しいな。
クラスの人たちからも、優しい声が続々と。
「見て見ぬふりをして、ごめん」
「花園さんのこと、助けられなくてごめんね」って。
私はちょっとだけ、このクラスになじめた気がします。
カースト上位10人衆は未だに怖いけれど、晴れやかな気分です。



