「ほら、至近距離で見せてやってんだから、俺の顔の隅々までよーく見ろよ。この顔のどこが、地縛霊みたいに気持ち悪いんだ?」
「あっ、あれは……朝都先輩のことじゃなくて……今思えば、人を見た目で判断しちゃダメだって、親から教わったなぁって……何言ってるんだろう、俺。ハハハハハ……」
地獄に引きずり落とす魔王並みの怒り顔の総長様に、あごクイされたまま、吐息がかかるほどの至近距離で睨まれ続けた彼は
「ほっ、本当に……すすっ、すいませんでした!」
足が絡まりながらも、教室から逃げ出し
「オマエだけ逃げるなんて、ズルいぞ」
残りのメンバーも、吐きそうなほど青白い顔で走り去っていったのでした。



