あまり顔色を変えない直月君が、目と口を大きく開けて取り乱しちゃった。
わっ、わわわっ……私。
パニック状態だからって、説明がヘタすぎ!
「……違くて。うっ、違わない……けど……二人じゃなくて……」
「もしかして姫歌ちゃんも僕と一緒で、アイドルをやらないかと誘われたのか?」
私がアイドル?!
スポットライトがまぶしいステージの上で
『みんな~ 今日のライブは一緒に楽しんでね~』
キラキラな笑顔を飛ばしながら
ファンサで心臓打ち抜きバンポーズを
陰キャすぎるこの私、花園姫歌が……
む、むむむむ……無理です!
なめくじジメジメな私は、暗いところじゃないと心が落ち着かない特殊体質で。
まぶしいスポットライトや蛍光ピカピカなペンライトなんか当てられた日には、限界値を超え、ステージの上で溶けきってしまいますよ。
きちんと言わなきゃ!
本当に私なんかが、アイドル選手権で最優秀賞をとれる曲を作れるのか、不安でしかありませんが……



