あまり余った長い袖で、頭を抱える私。
「まさか姫歌ちゃんは……外に敵だらけの危険すぎる最強総長と、付き合っているのか?」
とんでもない勘違いが降ってきて
「ちっ…違います、違います!」
動揺した私は、手が通っていない袖先をブンブン大振り。
今ここで、事実を話した方がいいのかもしれない。
この学園の生徒が『全国高校生アイドル選手権』に出ることは、まだ極秘事項。
関係者以外には、話しちゃいけないことになっているけれど。
総長様は、直月君をアイドルとして勧誘していると言っていた。
状況分析に優れた頭脳明晰な直月君なら、説明すれば理解してくれるはず。
それなら……
「住んでるの……私……総長様の家の……りょ……」
「は? 朝都先輩と二人で、住んいでる?」



