「美嘉?」 私が泣いてることに気づいたのだろう。 かたりと小さな音を立てて近づいてきたシロは、その場にしゃがむと徐に手を伸ばして、そっと私の涙を拭った。 「どうした? 辛くなった? 気持ち悪い?」 シロの優しい声が、どろどろした感情渦巻く腹の中に飲み込まれていく。 シロに迷惑ばかりかけてることが辛くて、こんな状況でもシロといれることに喜んでる自分が気持ち悪くて。 こんな私を、どうかお願いだから。 「嫌いに、ならないで……」 酷く情けない、縋るような声だった。 ***